始めに2点ほど。
まず、どちらかというと批判的な記事になります。
そしてガッツリネタバレを入れていくので、読みたくない人は逃げてください。
見ようか迷っている人はこんな記事は読まないように。

そして、私の艦これ遍歴について。
ゲームは初期の方はやってました。具体的には大和イベント、武蔵イベントを完走したくらい。
その後面倒でやめてます。

アニメは実は全話ちゃんと見たわけではないです。
1~4話を見て、あとは話題になった回や終盤の数話を見た感じ。
要点は抑えてるつもりって奴ですね。


さて。
というわけで、初日に見てきました。艦これ映画。
メンバーはぶっくん、うれさん、でちん、らじおくん、私の5名。
見終わった後、すぐそばにアニメイトがあったので「やがて君になる」の3巻とその他百合本を買い、夕飯を食べながらわいわい感想を交わし、途中からシャドバの話にシフトし、満足して解散しました。
そのときのみんなの総評は以下の通りです。

「戦闘とか良かった。求めてたクソさは少なくて物足りなかった」

そもそもクソ映画を求めて集まってる時点でタチの悪い奴らなんですけど、まあアニメ版の惨事を見ればさもありなん。
でもやっぱり艦これってコンテンツ気になりますしね。
多少斜めった態度でも見に行くくらいは許してほしいと思います。

で、そういう評価でした。
まあ、アニメ版のクソな部分は大分薄れてたんですよ。
ここは純粋に評価していいところだと思います。
ただこれはマイナスがゼロになったというだけで、勢いプラス評価になるかと言われればそれはまた別の話なわけです。

「面白いかと言われると微妙」と感じていた側からすると、絶賛している人がちょこちょこ居るのはびっくりでした。
そのあたりがわざわざ記事を書こうと思ったきっかけですけど。
それじゃあ、思ったところを述べていきたいと思います。

☆手放しに評価したいところ

1.戦闘シーン(特に開幕)

かっこよかったです。
あちこちで言われてることですが、照明弾絡みの演出もおお~って感じでしたし、派手な挙動も見ごたえがありました。

でもやっぱり陣形ほぼ意味ないよねとか、天龍ブレード使うのかよそれみたいな突っ込みどころはありましたけど。それは些細な問題でしょう。

2.全体的な作画

これはアニメの時点でも良かったといわれていますが、劇場版においてもしっかりしていたと思います。あんだけ動く中で崩れずに可愛くキャラが表現できているのは、やはり今一度評価してあげたいです。

3.出番がありつつ火傷しなかったキャラクターたち

一言ずつくらいしか喋ってないけど可愛い熊野鈴谷。
なんかやたら吹雪と絡んでた天津風、時津風。
開幕かっこいいシーンもらってた鳥海を始めとした三川艦隊。
ほんとちょっとしたシーンなのに存在感が大きく可愛かった龍驤。
推されまくってた瑞加賀。

この辺が好きな人は嬉しい映像が見られると思います。
特にイチオシは龍驤ですね。

ちなみに、川内は終盤でなんかかっこいいシーンがあったんですが、それまでのシーンで「夜戦だ夜戦」と騒ぐシーンが3,4回しつこくあり、アニメ版の雑な原作再現を彷彿とさせたのでプラマイゼロって感じ。

4.EDテーマ

いい曲だったな~~~~~~~~。

5.近くにアニメイトがあった

やがて君になる」3巻、買えてほんと良かったです。
家帰ってすぐ読みましたが、最高でした。
侑ちゃんの今後の葛藤が楽しみでなりません。

☆色々と思うところ

1.この劇場版はまるごとアニメ版3話の救済を目指してはいないか

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アニメで散々如月のことを雑に死なせ、最終話でとってつけたようなフォローを差し込んだ挙句、劇場版であれを引っ張るというのは、脚本サイドの「意地」を感じます。

脚本家の意地、大いに結構です。
劇場版がアニメ版の続編となることもまあいいです。

でも、なんかこうしてしまうと脚本のためにキャラクターが動かされているなぁと感じてしまうところはあるんですよ。「アニメ版3話は失敗してません」とでも言いたげに聞こえてしまいます。

創作において、「キャラクターがシナリオのための完全な舞台装置になる」というのは、結構反感を買いやすい傾向にあると思います。
話としては面白くなっても、キャラクターに「人間」が宿らないからです。
私も創作の中のキャラクターにはそういうものがあって欲しいと思うタイプです。
 
勿論、ある程度は仕方ない場合もあります。まずシナリオありきで、そのシナリオを進めるためにキャラクターを配置するというのは一つのやり方だし、「キャラクター」ではなく「シナリオ」を書きたいというケースは沢山あるでしょう。
硬派な推理小説でサブキャラが死ぬほど濃いキャラだったりしてもノイズにしかなりません。

でも、艦これってどう贔屓目に見ても「キャラクターコンテンツ」ですよね
元のゲームに設定はあってもシナリオなんてないわけだし。
そこで「シナリオありき」でキャラクターを動かされたら、それは違和感あるでしょうよ。

今回の如月はまさにそれでした。
物語の中で「如月らしさ」というのは殆どなく、ただ悲劇に巻き込まれヒロインを演じるだけ。

酷い目に合う、仲間の元に駆けつける、最後は救われる、そのどれもが「そういうシナリオだからそう動いた」だけの舞台装置で、如月である必要は本当に欠片もない。
誰か別のキャラを轟沈させていれば、そいつとその姉妹艦で全く同じ話ができますよアレ。

「如月提督は見に行ったほうがいい」なんて話をどこかで見たけどとんでもない。
今回の如月はただ3話の尻拭いに使われただけです。
心底不憫だと思うし、私が如月提督なら本気で怒る

そういう脚本を私は評価したくはありません。

2.色々とガバガバ

劇場版は基本、終始シリアスのノリで進むのでアニメ版のようにシーンを切り替えるごとに雰囲気ぶち壊しというのはありません。

しかし、なんとなく雰囲気に流されて見落としそうになるけれど突っ込まずにはいられないところが幾つかあります。

①問題海域を発見するのに、「声」が聞こえた地点を5つくらい繋げて
 「同心円上!?」とか分析してるシーン

なんでやねん。
というかその地点以外に君たちが今会議してる泊地でも声聞こえてたよね。

②如月の件は「機密案件だ!」みたいな空気で進んだのかと思えば問題の如月の宿から
 そんなに離れてない野外でその詳細を話して、挙句それを如月に聞かれちゃうシーン

ガバガバ情報管理。

③如月の深海棲艦化が進み、こちらに攻撃してくるリスクが上がっているのに
 一切監視をつけることなく泊地に置いていくシーン

ガバガバ危機管理。

④如月の見た目が完全に深海棲艦化しているのに、精神が思いっきり正常
 なまま睦月たちを助けに来るシーン

いや絵面はかっこいいし熱いけどさ。
なんでやねん。ぴんぴんしとるやんけ。
葛藤の中で深海棲艦化する心に打ち勝つとかそういうシーン一切なかったけど。
まあここは尺の問題で描けなかったとかあるかもしれないけどさ。

⑤問題海域の中心に近づき、力尽きそうな大和が吹雪に対し
 「行ってください! あの中に!」とかやってるシーン

たどり着きさえすれば勝ち! ってことなら分かりますよ。
でも最奥に何があるのか、視聴者の側からは何にもわからないんですよね。
百歩譲って、長門達はもしかしたら何らかの推測がたってたのかもしれないけど、
少なくとも吹雪は分かってないはず。
危ない海域でみんな中破して撤退していく中、敵艦も沢山いる中心部に駆逐艦一人で
突っ込め! と言われる。

大分やばい作戦ですね。
艦娘の命の価値観は我々と違うんでしょうけどなんかこう、凄い。
吹雪が多少特殊な艦娘なんだって認識が共有されていても、雰囲気に流されるにしてもどうするつもりなんだよアレって感じ。計画性とは? 

⑥精神世界をクリアしたら周囲の深海棲艦が全部光になって消えていくシーン

雰囲気でゴリ押す感じ、ヒシヒシと伝わってきます。
好意的に解釈するとまあ辻褄は合うような気はするんですが、 ダーク吹雪ちゃん以外も全部消えていくの冷静に考えるとよく分からないですよね。
あの辺の深海棲艦は全てダーク吹雪ちゃんが支配してたとでも言うんでしょうか。 
如月ちゃん、特に悪いことしてないのにまた光になっちゃったけど。
演出の都合なのは分かるんですけどね。 

ちゃんと覚えてないですけど、細かいガバは他にもありそうです。

☆その他、そしてそのあたりを踏まえて

提督を完全に排除したのは英断でしたね。
居ても気持ち悪いだけですし。
アニメのときみたいな、ぼんやり見ていても目を見張るようなクソ要素がなくなっているし、
「雰囲気」でいえば一貫していてよかったんじゃないですかね。
なんか随所にまどマギの影響を強烈に感じましたけど。
吹雪が突然「大丈夫だよ」とか無意識にポエマーになるところとか、
如月が睦月に抱かれながら光になってくところとか。 

でもまあ、つまりアレです。
この映画は、「なるべく何も考えないで見れば良い雰囲気の映画だ」 と言えるでしょう。
オススメできます(白々しい顔)。
まあ実際褒めた点については良かったと思ってますって。

逆に私みたいなめんどくさいタイプは確実に「良い映画だ」とは言わない内容となっております。
是非、「やがて君になる」を読んでみて下さい。よろしくお願いします。 

ここまで書いて、
「見た直後は物足りなかったけど結構期待通りのクソ映画だったのでは!?」 
と思い直してちょっと楽しくなってます。
艦これ映画、楽しかったです(突然の手のひら返し)。

本日、現場からは以上になります。